検査の説明
問診(病歴・業務歴・家族歴・自覚症状等)/他覚症状
検査結果の参考にするための重要な調査です。
現在の健康状態や本人や家族の病歴や業務歴を調査票により確認した後に医師が聴診触診等で判断します。
なお、喫煙歴については特定健診の診断基準に含まれている為に必要不可欠です。
身長・体重測定
肥満かどうかの程度を算出し、体重コントロールの目安を示します。
BMI(体格指数)=体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)
| 低体重 | 普通体重 | 肥満 |
| 18.4以下 | 18.5~24.9 | 25.0以上 |
標準体重=身長(m)x身長(m)x22
<BMI=22 前後がもっとも内科的疾患が少ないと言われています>
腹囲測定(へそ周囲径の測定)
メタボリックシンドロームの診断基準の必須条件です。
男性85cm・女性90cm未満が基準とされています。
視力検査(5mの視力)
視力低下を調べ、矯正の必要性あるいは調整の必要性などの目安を示します。
また、視力低下の原因となる疾患の発見に役立てます。
選別聴力検査(1000Hzと4000Hzの聴取)
正常聴力か何らかの難聴が疑われるか効率よく選別することを目的としています。
難聴の原因や種類は特定できないので、所見がある場合は、さらに詳しい検査が必要です。
胸部エックス線撮影
肺の疾患(肺結核・がん・炎症など)や心拡大などの発見に有効です。
胃部エックス線撮影
食道~胃・十二指腸にかけての壁の凸凹をバリウムで調べ、胃潰瘍・ポリープ・がんなどの発見に役立てます。
ペプシノゲン検査(血液による胃粘膜の検査)
胃粘膜の萎縮程度や胃がんなど萎縮をともないやすい病気のスクリーニング検査です。
老化による萎縮性変化もあるので、陽性と判断された場合は、精密検査を受けることが重要です。
なお、胃を切除した場合は、陽性になりますので、不適当です。
血圧測定
心臓から押し出された血液が血管を押す圧力を測定して、高血圧症・低血圧症の発見とその管理に役立てます。
高血圧は脳出血・脳梗塞・心筋梗塞などの発症の原因にもなりますので注意が必要です。また、腎・内分泌の病気が原因のこともあります。
図1 血圧分類
尿糖検査
糖尿病の発見に役立ちます。ただし、糖尿病の確定診断には、血糖値を測定することが不可欠です。
尿蛋白検査
腎臓疾患(腎炎・ネフローゼ症候群など)の発見に役立てます。
尿潜血検査
腎臓(腎炎・腎結石)や泌尿器系の疾患(尿路結石・膀胱炎など)の発見に役立てます。
尿ウロビリノーゲン検査
肝障害(肝炎・肝硬変・溶血性黄疸など)の発見に役立てます。
ただし、正常者でも少し排泄されるので(+ー)は正常です。胆道閉塞になると(ー)になります。
心電図(安静時12誘導)
心臓疾患(不整脈・心肥大・虚血性変化など)の発見に役立てます。安静時でわからない狭心症などや確定診断には運動負荷心電図や心エコーあるいは
24時間ホルター心電図などの精密検査を循環器内科で受診することが大切です。
眼底撮影
動脈硬化の程度を見ています。さらに緑内障・白内障・糖尿病性網膜症などの発見にも役立てます。
眼圧検査
房水によって保たれている眼球の圧力を調べ眼の疾患の発見に役立てます。
低い場合;網膜はく離や外傷が疑われます。高い場合;高眼圧症や緑内障が疑われます。
但し、正常眼圧緑内障も多いので眼圧・眼底・視野などの検査を併用することが緑内障
発見に有効です。
肺機能検査
%肺活量;性別・年齢・身長による予測肺活量に対して、実測の肺活量が何%にあたるかを調べ呼吸器疾患の発見や重症度の判定に役立てます。
79%以下;間質性肺炎や肺線維症・胸膜炎などの拘束性換気障害が疑われます。
1秒率;最も大きく吸い込んでから一気に吐き出し、最初の1秒間にどのくらい吐き出せるかを調べ呼吸器疾患の発見や重症度の判定に役立てます。
69%以下;肺気腫や気管支ぜんそく・慢性気管支炎などの閉塞性換気障害が疑われます。
図2 肝機能障害分類
主な血液検査と異常値を示すおもな病気
【肝機能系の検査】
TP(総蛋白)
低値:栄養障害やネフローゼ症候群など 高値:慢性の炎症や脱水症状など
T-Bil(総ビリルビン)
高値:体質性の黄疸・肝炎・肝硬変・胆道の通過障害を伴う疾患・甲状腺機能低下症など
AST(GOT)
高値:肝炎やアルコール性肝炎・脂肪肝などの肝障害・心筋梗塞など
ALT(GPT)
高値:肝炎やアルコール性肝炎・脂肪肝などの肝障害など
※GOTのみ高値の場合は心筋梗塞や筋肉の疾患などが疑われる
LDH
高値:肝炎・心筋梗塞・悪性腫瘍・血液の病気・骨格筋や肺の病気などさまざまな疾患
※病気を特定するのではなくスクリーニング検査として行い、ほかの検査や臨床症状とあわせて判断されます。
γーGTP
高値:アルコール性肝障害・慢性肝炎や胆道の疾患など
【脂質系の検査】
T-cho(総コレステロール)
高値:動脈硬化が進むと心筋梗塞などにつながります・脂質代謝異常・甲状腺機能低下症など
低値:栄養吸収障害・肝硬変・甲状腺機能低下症など
HDL-c(HDLコレステロール:善玉コレステロールと言われています)
低値:脂質代謝異常・動脈硬化など
LDL-c(LDLコレステロール:悪玉コレステロールと言われています)
高値:動脈硬化が進行され心筋梗塞や脳梗塞などにつながります
TG(中性脂肪)
高値:動脈硬化を進行させる・甲状腺機能低下症・糖尿病など
低値:低栄養など
【UA(尿酸)】
高値:高尿酸血症(痛風の発作や尿路結石などが作られやすくなります)
【腎機能系の検査】
Crea (クレアチニン)
高値:腎不全・尿毒症などの腎機能障害・心不全など
BUN(尿素窒素)
高値:腎不全など腎機能障害・糖尿病・肝硬変など
低値:尿崩症・肝不全など
【膵機能系の検査】
AMY(アミラーゼ)
高値:膵炎など膵臓の疾患・耳下腺炎など
【糖代謝系の検査】
Bs(血糖)
高値:糖尿病・膵がん・ホルモン異常など
HbA1c(グリコヘモグロビンA1c):1~2か月前の血糖の平均を反映しています。
高値:糖尿病
【血球系の検査】
WBC(白血球数)
増加:細菌感染症・炎症や腫瘍の存在など
減少:ウイルス感染症・再生不良性貧血など
RBC(赤血球数)
増加:多血症
減少:貧血
Hb(ヘモグロビン)
低値:鉄欠乏性貧血など
高値:多血症
Ht(ヘマトクリット)
低値:鉄欠乏性貧血など
高値:多血症・脱水症など
【感染症系の検査】
CRP反応
高値:細菌やウイルスの感染・炎症・心筋梗塞・膠原病・がんなど
HBs抗原
陽性:B型肝炎の感染
【ホルモン系の検査】
FT4(遊離甲状腺ホルモン)
高値:甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
低値:甲状腺機能低下症(橋本病など)
TSH(甲状腺刺激ホルモン)
高値:甲状腺機能低下症など
低値:甲状腺機能亢進症など
主な腫瘍マーカーについて
腫瘍マーカーとは腫瘍細胞自身が作り出しているか、腫瘍があることによって体内に作られる物質でこの物質を測定することに
よってがんの診断や経過観察・治療効果などの目安になるもの。但し、早期がんではあまり陽性になることは少なく経過観察や
再発・治療効果の指標にすることが多いものです。またがんでなくても陽性になることもあるので、異常値が認められた場合、
ほかの検査と組み合わせて確認することが大切です。
PSA(前立腺特異抗原)検査
前立腺がんのスクリーニング検査としてもっとも有効と言われています。
なお、良性の前立腺肥大症でも陽性になりますので、専門医による鑑別診断を受けてください。
CEA検査
主に消化器系のがん(胃がん・大腸がん・膵がん・膀胱がん)・卵巣がん・肺がんなどスクリーニング検査として広く利用されていますが、
臓器特異性が低いのでこの検査だけでは診断できません。また、喫煙や肝疾患・糖尿病などで偽陽性になることがあります。
CA19-9検査
主に肝胆道系のがん(胆嚢がん・胆管・肝臓がん)・大腸がん・膵がんなどのスクリーニング検査として広く利用されていますが、胆石・
膵炎など良性な疾患でも陽性になることもあります。
CA15-3検査
乳がんのスクリーニング検査として利用されています。早期診断には役立ちませんが、進行がんや再発例に有効です。
乳がん以外に卵巣・子宮・膵がんなどで陽性率が上がります。高値の場合はCEAやCT・骨シンチグラフィーなどと組み合わせて精査することが
大切です。
CA125検査
卵巣がんのスクリーニング検査です。なお、生理中の方は高値になることがあるので避けてください。
AFP(αーフェトプロテイン)検査
肝がんのスクリーニング検査です。肝硬変や慢性肝炎の軽度の上昇が認められます。ただし、胆管がんでは上昇しません。